秋は球根を育てよう!育てやすい原種系球根を紹介
目次
原種系球根とは

『イングリッシュ・ブルーベルの花』
私たちの周りに出回っている、色彩溢れる美しい球根植物たちの多くは改良された園芸品種です。より観賞価値のあるものや、育てやすいように改良されて作られた品種です。
その改良品種たちのルーツとなっているのが、原種系球根です。原種系球根は、その名の通り原種なので、強健で病気になりにくく、繁殖力が強いなどの特徴があります。草丈も小ぶりで、花も地味なものが多く、山野草の趣を持っています。
育てやすい上に強い繁殖力で群生し、さらに野の花のような可愛らしさを持つ原種系球根をお庭で増やして行きましょう。
育てやすい原種系球根の紹介

『スイセン・バルボコディウムの花』
秋植え春咲き球根でおすすめは、丈夫な原種系の球根です。原種系の球根植物は、その場所に馴染めば、あとは植えっぱなしでどんどん分球して増えていってくれます。改良品種に比べると少し地味に思えるかもしれませんが、その野の花を思わせるような可憐さは、他にはない味わいがあります。いつまでも眺めていたくなるような、優しい原種系球根のお花をご紹介します。
スイセン・バルボコディウム
- 学名:Narcissus bulbocodium
- 科名:ヒガンバナ科
- 日当たり:日当たりを好む
スイセンの原種ですが、ニホンスイセンとはまったく別物と言ってもいいような見た目をしています。草丈は低く花も小ぶりです。バルボコディウムのような明るい黄色の原種系スイセンを群生させておくと、目が覚めるような春の訪れを楽しめます。

『チューリップ・タルダの花』
チューリップ・タルダ
- 学名:Tulipa tarda
- 科名:ユリ科
- 科名:日当たりを好む
原種系のチューリップは草丈低く小型なものがたくさんあります。周りの新芽に紛れるように咲く姿は、野花のようで可愛らしいです。小型のチューリップは花びらがしっかり広がって開くように咲きます。チューリップと言えばつぼむような咲き方の花という、多くの人が持っている概念を覆してくれます。
イングリッシュ・ブルーベル
- 学名:Hyacinthoides non-scripta
- 科名:ユリ科
- 日当たり:木洩れ日くらいの半日陰を好む
シラーの仲間です。茎をしならせるように、釣鐘状の淡い青紫色の花を咲かせます。イングリッシュ・ブルーベルは、木漏れ日が当たるくらいの半日陰でよく咲きます。明るい森の中や、落葉樹の下などで群生しているのを見かけます。
桜が終わった頃に、柔らかな青紫のイングリッシュ・ブルーベルが広がっているのを見ると幸せな気持ちになれます。
ムスカリ・アルメニアカム
- 学名:Muscari armeniacum
- 科名:ユリ科
- 日当たり:木洩れ日くらいの半日陰を好む
小さな紫色のブドウを逆さにしたような形が印象的な花です。非常に強健でよく分球し、こぼれ種でも増えるので、とても人気の球根植物です。花には芳香があります。
ムスカリは種類が豊富で、紫の他に白花もあります。原種ではなく、蕾の上の方からグラデーションがかかったような花色のものや、葉があまり伸びないものなど、改良品種もたくさん出回っています。
スノードロップ(ガランサス)・エルウェシー
- 学名:Galanthus elwesii
- 科名:ヒガンバナ科
- 日当たり:明るい半日陰を好む
秋から春にかけて日当たりが良くなるような、落葉樹の下に植えます。乾燥が苦手です。少し湿ったような半日陰で群生します。初春に俯くように咲く、白い小花が可愛らしく人気です。分球で良く増えるので、気が付くと庭の奥の方がスノードロップでいっぱいになっています。
球根の植え方のポイント

咲かせてみたい花のイメージが固まったら、実際に球根を植えてみましょう。球根を植え付ける際のベーシックな植え方です。
場所
球根の植え付け場所でおすすめは落葉樹の足元や多年草の間です。理由は、秋から翌春まで
葉を落とすからです。秋に植え付けてから、春に開花する頃までちょうどよく日が当たり、春に花を咲かせることが出来ます。
また、原種系の球根は草丈が低く小さなものが多いので、ついつい花壇の前の方に植えてしまいがちですが、冬期に地上部がなくなる多年草の間に植えてあげると、冬の間にむき出しなった土をカバーするように咲いてくれます。これで、初春のお庭の寂しさを紛らわすことが出来ます。
用土
球根を植えるなら、先に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んだふかふかの土を作っておきましょう。秋に陽の光で温められたふかふかの土の中に植えてあげて、しっかりと準備が出来てから冬の寒さに当てた方が丈夫に育ちます。
植える時期も、球根は11月くらいまで植えられますが、まだ暖かさが残る10月くらいまでに植えつけを済ませましょう。翌春しっかりとした花を咲かせてくれます。
まき方
球根を土に植え付けるときは、3~5個くらいを固めて植えます。球根類は本来分球やこぼれ種で増える性質があり、自然と固まって群生しています。
リズミカルにならないように、でも群生しているように。3~5個くらいずつ地面にばら撒くようなイメージで転がして、その不規則に転がった位置で植え付けていくと、自然な仕上がりになります。
球根を植え付ける深さは、大体球根の倍くらいのサイズに掘りましょう。特別な指示がない限り、植え付け時の深さに神経質になる必要はありません。大切なのは、しっかりと暗い土の中で冬の寒さに当てることです。
球根の花が終わったら

お庭で球根の花を楽しんだ後は、すぐに掘り上げずにそのままにしておきましょう。花が枯れた後、葉で光合成をさせる為です。光合成をさせることで球根が栄養を蓄え、また来年の春に花を咲かせることが出来ます。
種を作る前に切った方がいいと言う話もありますが、ムスカリのように、こぼれ種と分球の両方で増える種類もあるので、種はそのままにしておいていいでしょう。翌年以降の楽しみが増えます。
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